■不安障害の分類(アメリカ精神医学会「DSM-Ⅳ-TR」)
不安障害は,下記の5つにわけられます。
・恐怖症
・強迫性障害
・全般性不安障害
・ストレス障害(心的外傷後ストレス障害 PTSD)
・パニック障害(誘引なく突然激しい不安と自律神経上の発作がおこる)
不安障害のなかでもパニック障害は主要な病気です。
■恐怖症の分類
・広場恐怖
不安発作(パニック発作)がおこったときのことを心配し,逃げることが困難な場所や,発作をおこして恥をかきそうな場所,助けがえられないような場所にいることを恐れます。またそのような場所や状況にいることに大変苦痛に感じ,避けるようになったり,同伴者と一緒でない場合はそのような場所に行けなくなったりします。
・社会不安障害
人前で恥をかいたり,恥ずかしい思いをすることを恐れ,そのような状況に強い不安や苦しみを感じ避けます。人前で話ができない「対人恐怖」,あがってしまい顔が赤くなる「赤面恐怖」,視線があうのを恐れる「視線恐怖」などがあります。また激しい恐怖場面でパニック発作をおこすことがあります。
・強迫性障害
自分の意思に反し,無意味で現実に関係のない考えが繰り返し頭に浮かび,その考えを払いのけようとしても,払いのけることができない状況を強迫観念といいます。
たとえば,自分の行為に落ち度がなかったかどうか疑う「疑惑癖」,あるできごとがおこった原因や理由に疑問をもち,その疑問を解かないと気がすまない「詮索癖」,眼に触れるものを一つずつ数えあげないと気がすまない「計算癖」などです。
強迫観念に対する悩みは,二通りあります。強迫観念自体には悩まないのですが,無意味な考えをやめようとしてもやめられないことに悩む場合と,強迫観念自体に悩む場合です。
強迫観念自体に悩む場合は,「恐怖症」で,脅迫行動になることがあります。たとえば,何時間も手を洗い続ける「不潔恐怖」,間違いがなかったかどうか何度も繰り返し確認する「確認恐怖」などです。
これらの行動は,自分で馬鹿げていると思っていても,やめると不安になるためやめることができず,そのため日常生活がいちじるしく困難になります。
・全般性不安障害
この病気は,持続的(半年以上)な神経過敏状態です。
日常のできごとに対して過剰な心配をし,緊張が高まり,落ち着かない,疲れやすい,集中力の低下,ずぐにイライラする,肩こりや頭重感,不眠などの症状があらわれます。症状は一進一退を繰り返し長期的に続きます。
・ストレス障害(心的外傷後ストレス障害 PTSD)
震災や障害事件のような生命の危険が迫る激しい恐怖などの体験をした後に,いろんな症状がでてきます。
恐ろしい場面を繰り返し思いだして苦しんだり,夢をみてうなされたりします。
また恐ろしい出来事に類似した場面を避けたり,逆にそのような場面を思い出したりすることができなくなることもあります。
神経がいつも過敏になり,イライラして物事に集中でできず,不眠状態がみられます。ときにはパニック発作をおこすこともあります。
・パニック障害
突然,何の理由もなく不意にパニック発作(不安発作)がおこります。この発作は激しい不安感と心臓がドキドキする,胸がしめつけられる,息がつまるなどの自立神経症状です。
この発作は強烈で,患者さんは腰が抜け,死んでしまうのではないかと恐怖におののき,救急車で病院へ運ばれることもしばしばあります。
しかし病院に到着するころには発作のピークは過ぎ去り,症状はみられなくなります。病院ではいろいろな検査をおこなっても,なにも異常がみられません。
発作は繰り返されることが多く,また発作がおこるのではないかと恐れ,発作により大変な事態を招くのではないかと心配し,発作を恐れるあまり日常生活が大きく制約されます。
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